こんにちは。
今回「外資系企業に入社してみた所感」ということで、入社から3か月程度経って感じたことや考えたことなどをお伝えします。
転職に関する記事はこちら
※筆者経歴
都内の私大理系大学院卒業後、日系電機メーカーの要素技術の開発部に就職。
4年程度勤務後に業種を変えて日系メーカーの開発職に転職。
数年勤務したのちに現外資系メーカーに就職。
キャリアを通してハードの設計からソフトウェア開発まで経験。
TOEIC890点、高度情報技術者(システムアーキテクト)等を保有。
対象
・転職検討中の方
・外資企業に興味ある方
目的
・外資系企業の雰囲気を共有する。
・転職等の判断材料にしていただく。
結論
ざっくりした雰囲気
・個人主義
・フラット
・日本企業より同僚が大人
・意思決定が早い
外資系企業に向いている方
・個人で勝手に仕事回せる、見つけて提案できる、セルフラーニングな人
・専門性がある人
・最低限の英語力、ITリテラシー
外資系企業に向いていない方
・指示待ちの人
・専門性がない人
・英語力、ITリテラシーの低い方
日系企業との比較
前提
外資企業と言っても私が勤務している企業は「欧州系」「規模が大きい(数万人規模)」「日本法人は小さい(100人以下)」という企業です。
企業によっては本体が小さかったり北米系であったり日本法人が大きい企業もあります。そのような違いがある上で共通するであろう部分を抜き出して記載しました。
企業によって差異があることをご承知の上読み進めてみてください。
雰囲気
日本企業と比較して圧倒的に自由です。そして個人主義でありそれぞれの専門性を尊重して完全に分業制です。
後述しますが、働き方は個人の裁量に任されている部分が大きく仕事の進め方も自由です。「仕事でアウトプット出してくれればなんでもOK」といった感じです。
悪くいえば自分から動かないと完全に放置されます。教育もほとんどありません(探せば結構充実している)。
これは日本法人の大きさに依存すると考えています。
例えば、外資企業と言っても1000人を超える規模になるともはや日本人の割合も大きくなり経験上日本企業の雰囲気に近くなります。
一方で100人以下である場合は本国からの駐在員や日本在住の日本国籍でないメンバーの割合が大きくなり、自由な雰囲気になっていくと想像しています。
(実際、私の部署は私以外はほぼ外国籍の方です。)
また、出戻りの割合が日本企業と比較して多いです。人間関係が希薄というか、関係性がドライなのか、出戻ったり出て行ったりといったことがかなりフランクに行われています。
これは日系企業と明確に異なると感じました。こういう部分でも「自由」な部分が垣間見れます。
働き方
働き方に関しても日本企業と比較して自由です。特に日系メーカーですと勤務時間や昼食の時間、在宅勤務の管理、等いろいろな管理項目があります。
一方で、外資企業の多くは完全フレックスで在宅勤務が許されており昼食の時間も決まっていないことが比較的多いです。
管理がない分、逆に休日や夜間に働けてしまいます。自身で自己の業務内容を管理して働いていかないと逆にきつい可能性もあります。
とはいえ、日本のような「全力まで働け」という雰囲気はなく、基本的に残業はほぼしない方向です(私は3か月働いてほぼ残業せずに余暇を家族と過ごせました。)
給与
同規模の日系企業と比較してどの業種も高い傾向があります。実際私は残業せずとも前職よりも給料が上がりました。
これは「そもそもの給与水準が外資企業の方が高い」「日本というガラパゴスで特殊な言語の大きな市場で働ける貴重人財」「福利厚生がない」「退職金が日系企業と比較して充実していない」などの理由があります。
福利厚生と退職金に関しては個人の考え方で、金融資産を自身でマネージできるのであれば若いうちにもらえた方が断然有利かと考えています。
また、外資系企業の特徴としては「年俸制」が挙げられます。
ボーナスありません。月割りで支給されます。また、昇給は次年度に持ち越されます。
これは個人の好みによりますが、年俸制でよかったこととしては「月々の給与が前職の数倍もらえる」「査定で一喜一憂しない」「年間の給与が決まっているので如何に残業を少なくするかを考える」といったところです。
日系企業の給与体系だと「残業ありきの働き方になる」「月々の給与が低くい」といったデメリットがあると転職して感じました。
勤務地
外資企業の勤務地は基本的には「主要都市」「転勤なし」です。
というのも、外資企業は本国と日本との窓口となる機能です。そのため基本的には主要都市にオフィスを構えてそこから出張などでお客様の場所に出向く、といった形になります。
(日本に工場がある場合には地方の可能性あり)
職務
日本企業は1つの役割に何人もいたり、複数の役割を一人でこなしたりといびつな状態が常態化していることが多いと思います。
一方で、外資企業は同じ職務には基本的には1人です。人数が少ないため1つの役割に1人です。その代わり、いろいろな職務を兼ねることは少ないです。
というもの、外資企業は専門性を重んじています。そのため「餅は餅屋」といったように専門的な職種には専門性の高いメンバーを配置します。
プロジェクトマネージャーなども専任の人がいます。明確に職務を分けます。そのため、責任が重い、という考え方もできます。
(少数であると兼ねることもあるのかもしれませんが…)
意思決定
意思決定は日本企業と比較して圧倒的に早いです。
部門レベルで言うと、一つ上のマネージャーかカントリーマネージャーの権限でほぼ承認プロセスは終わってしまいます。
日本企業でいういわゆる「ハンコリレー」みたいなものはありません。すぐ決まります。
また、会社全体の例でいうと、社内のシステムを一新するときに今の会社はすぐにスケジュール引いて告知から数か月でシステム移行を済ませるように進めています。
一方で少なくとも私の所属していた日系企業に関しては社内共通のシステムを一新するとなると検討から少なく見積もって3年、下手すると途中で頓挫、といったことも往々にしてありました。
上司
日系企業でいう「変な上司」や「パワハラ気質の上司」は今のところ観測できません。
おそらくハラスメントに対する意識が日本と欧州とでは全く異なるのではないかと考えられます。
また、定期的なキャリアの相談などはかなりフランクにできています(これは外資企業の特性か、今のマネージャーの特性か判断できかねますが…)
同僚
同僚とはフラットな関係です。日本企業のような職位がたくさんあるような組織構造になっていません。
メンバーの職位は同じで、その上にマネージャーがいる、といった形です(組織が小さいことが理由かもしれませんが)
さらに、マネージャーやカントリーマネージャーともかなりフランクに意見交換できます。
これは外資特有と考えられますが、職位は「ただの役割」のようなものという印象が強いです。本国の偉い人が来ても皆でフランクな雑談などしています。
また、これは日本人への差別となってしまいますが外国籍の方の方が「大人」と感じています。
自身の仕事に責任があり、時間のマネージメントができて、主張するところを明確に主張します。
福利厚生・退職金
福利厚生や退職金に関しては圧倒的に日本企業の方が良いです。福利厚生に関しては現業は通勤費くらいしかないかもしれません。
保養所や資格手当、観光地の割引チケットなどありません(個人的にはいらないのでいいですが)
また、退職金に関しては日系企業の方が充実しているように感じます。
参考文献
「やっぱり外資系! がいい人の必勝転職AtoZ」
外資の働き方をイメージできます。外資経験した人は当たり前のことしか書いていないかもしれませんが、外資未経験の方は読んでもいいかと思います。
私はイメージが湧きました。
実例でわかる! 英語面接完全マニュアル
外資企業の面接対策で使用しました。質問と回答例がかなり掲載しているので、これを元に面接の準備をしました(かなり役立った)。
音源付きなのでリスニングの練習にもなります。
アルゴリズム的思考力が身につく! プログラミングコンテストAtCoder入門
コーディングテストの対策で利用しました。最低限この内容は押さえておきたいところ。
文献ではありませんが、外資系企業に就職するのであればLinkedinを利用して転職することを勧めます。
まとめ
個人主義で自立した方であれば外資系企業は非常におすすめです。
一方で、教育がしっかりしていて曖昧さを好む方は外資系企業に行くと苦しくなる可能性があります。
今回紹介したのは私の少ない経験談なのであくまでも一つの例として参考にしてもらい、今後の転職活動の参考にしていただければ幸いです。
以上、お読みいただきありがとうございました!!!